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評価 | ★★★☆ | ||||
眠る | ★☆☆☆ | ||||
概略 | 神経科学者が書いた睡眠研究のガイダンス | ||||
誰向 | 睡眠の生理学的メカニズムに興味のある人 | ||||
良い | 眠りのメカニズムについて、近年の研究成果が分かる。
「脳科学者」などの最近のいかがわしい人が書いた本ではない。根底にあるのが思いつきではなく、研究成果なので、論理的になっている。 「オレキシン」の発見にかかわった研究者として、研究成果するまでの経緯が興味深い。 最後の著者の仮説の章はページ数が少ないが、面白い。 覚醒、ノンレム睡眠、レム睡眠をコンピュータになぞらえ、それぞれオンライン状態、スリープモード、オフライン状態としているのは分かりやすい。その文脈から、レム睡眠を脳の最適化としているは理解しやすい。 |
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興味 | P32 睡眠中は記憶が保持されるだけでなく「強化される」。スポーツや楽器などその間練習しなかったのに、2,3日後に突然できるようになっていることがある。
P174 眠気を覚ます:手足を冷やす。コーヒーはアイスではなく、ホットで飲む。 P182 時差ぼけ解消日数:太陽の光でできる体内時計のリセットは1日2時間まで、そのため6時間の時差があると、時差ぼけを解消するのに3日かかることになる。 P212 マッコウクジラは溺れないように、垂直に近いかたちに身体を立て、鼻先を会場に出して眠るらしい。 |
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残念 | がっかりではないが、睡眠物質の働きなど、ちょっと専門的すぎて、思わず読み飛ばしたくなる。個人的にはもっとかいつまんだ説明でもかまわない。 | ||||
著者 | 櫻井 武 1964年生(出版時46才) | ||||
略歴 | 金沢大学医薬保健研究域医学系教授 | ||||
出版 | 2010年/ブルーバックス 900円/新書版/240頁 | ||||
目次 | 1章 なぜ眠るのか
2章 最新技術で探る「睡眠の正体」 3章 睡眠と覚醒を切り替える脳の仕組み 4章 睡眠障害の研究から生まれた大発見 5章 オレキシンが明かした「覚醒」の意味 6章 ヒトはどこまで睡眠をあやつれるか 7章 睡眠に関する日常の疑問と、これからのテーマ 8章 なぜ眠るのか 私の仮説 |
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