スポンサーリンク
評価 | ★★★★ | ||||
眠る | ★★☆☆ | ||||
概略 | 著者自身の不眠治療を軸に、不眠な人々の取材を織り交ぜたルポ。 | ||||
誰向 | 不眠治療を考えている人。不眠治療を始めた人。 | ||||
良い | 治療が必要な不眠の実例がわかる。
睡眠にかかわる治療薬の効果と副作用がわかる。「お酒で寝るよりも睡眠薬の方が安全」とも単純に言えない。 著書自身の実体験が軸で身につまされる。 結構、心が沈むような内容も含まれているが、著書自身の明るさに救われている。 |
||||
興味 | P36 病院を探す:最寄りの保健所や都道府県にある「精神保健福祉センター」に問い合わせてみる手もある。
P78 抗不安剤=精神安定剤、睡眠薬=睡眠導入剤 どちらも同じ意味。 P102 不眠症の薬の分類:ベンゾジアゼピン系(今の主流、比較的安全)、非ベンゾジアゼピン系、バルビツール酸系(昔からある睡眠薬)、非バルビツール酸系 P111 薬はまず、副作用が出て、それから作用がでる。 P127 薬の影響1:電車や降りる駅を間違え、普段なら20分の距離なのに、1時間半かかった。 P147 薬の影響2:買ってきた洗剤を冷蔵庫の中にいれてしまう。 P205 アジアに行くとぐっすり眠れる。 P242 薬の影響3:ノートパソコンで作業しているうちに突然寝入ってしまい、ノートパソコンの角に額を打ち付け、あたりが血の海になったまま寝続けた。 P270 自律訓練法のコツ:自分でできるようにする必要はあるが、頑張ってやらない。暗示をかける側の自分を意識しすぎない。かけられる側の自分に意識をもっていく。 P272 自律訓練法のやり方:1.ベッドや布団側に掌をつけて横たわる 2.「気持ちが落ち着いている」と3回唱える 3.「右手が重たい」と唱え、重たくなる感覚をつかむ 次に、両手、両足、両手・両足とすすめていく。 P286 人は夜まとめて寝るのが一般的だが、それは動物界では特異なこと。分散して寝るのが他の動物の眠り。 P295 眠るときは潔く眠ろうとすること。どうせ眠れないからとベッドであれこれしないこと。 P305 眠りに理想を求めない。「こうあるべき」ではなく「こんなもんでいいや」と考える。何時間眠るかを計算しない。 |
||||
残念 | 文献情報をちりばめたためか、若干テンポがもたつく箇所がある。 | ||||
著者 | 矢崎葉子 | ||||
略歴 | ノンフィクション作家 | ||||
出版 | 2002年/新潮OH文庫 657円/文庫/308頁 | ||||
目次 | 序章 眠れないのはあなただけじゃない
第1章 「眠る」ということ、「眠れない」ということ 第2章 心療内科に行こう 第3章 睡眠薬と付き合う 第4章 民間療法に走る 第5章 不眠症とうつの関係 第6章 自律訓練、はじまる 終 章 おやすみなさい |