眠りには周期があります。眠りをコントロールしたいなら、まず眠りの周期-サイクルを知ることです。
90分が眠りのサイクルの基本です。もちろん個人差があり、その日の体調もありますから、だれでも毎日90分ではありません。でもこれを目安にすることで眠りがコントロールできるようになります。
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眠るための雑学あれこれ
睡眠は90分のサイクルで出来ている
睡眠には、よく知られているようにレム睡眠とノンレム睡眠があります。
レム(REM)睡眠とは、眼球のすばやい動き(Rapid Eye Movement)からきており
夢を見てることの多い睡眠です。
ノンレム睡眠とレム睡眠
ノンレム睡眠とは、単にレム睡眠でない、レム睡眠以外の睡眠を言います。ノンレム睡眠には、その眠りの深さに応じて、Ⅰ~Ⅳの4段階があります。
1サイクルは90分
このノンレム睡眠とレム睡眠がセットになって睡眠のサイクルが形成されます。1サイクルは、90分程度で、7時間眠っているなら、1晩のうち、4~5回繰り返しています。
この図は、一晩の睡眠サイクルのモデルです。
(1) ~(6) がそれぞれ90分の1サイクルになります。
1サイクルは、薄いブルーのノンレム睡眠から始まり、どんどんと深い眠りになっていき、やがてまた浅い眠りになり、オレンジ色のレム睡眠で終わります。
サイクルの中身は変わっていく
1晩のうちの各サイクルは、同じではありません。次のサイクルに行くたびに、ノンレム睡眠の深さが浅くなっていき、レム睡眠の時間が長くなります。
特に、ノンレム睡眠の深い眠り(Ⅲ、Ⅳ)が現れるのは、最初と次のサイクル(計3時間)だけで、眠りが長くなればなるほどレム睡眠が増えていきます。
逆に眠ってから6時間以上たつとレム睡眠の時間が増えてきます。6時間ぐらいまでは、90分単位(3時間、4時間半、6時間)でスッキリ目覚めることができますが、6時間眠れたなら、それ以降はレム睡眠の時間が多くなりますので、90分にこだわる必要はありません。
レム睡眠はカラダの眠り、ノンレム睡眠は脳の眠り
レム睡眠、ノンレム睡眠は、進化の歴史で言えはじめにレム睡眠ができ、進化の過程で、ノンレム睡眠を獲得しています。明らかにノンレム睡眠を持つといえるのは、鳥類と哺乳類だけです。
浅い眠りと深い眠り
レム睡眠は浅い眠りであり、何かあったらすぐに起きれる状態です。一方でノンレム睡眠は、深い眠りであり、途中で何かあっても目覚めるのに時間がかかります。
スリープと電源OFF
これをコンピュータにたとえて、レム睡眠をスリープ状態、ノンレム睡眠を再起動が必要な電源OFFの状態という人もいます。
どうやら発達した脳を整理・休息させるためは、ノンレム睡眠が必須のようです。
睡眠の実験で、レム睡眠に入ったとき、被験者を起こし、人為的にレム睡眠をとらせない(夢をみさせない)実験があります。これまでのところレム睡眠だけを奪っても体調に大きな変化はないようです。
ノンレム睡眠は必須
逆にノンレム睡眠を奪うと、免疫機能の衰えがひどくなり、ラットでは2週間程度で死に至るようです。
「1晩、2晩、寝らんでも死にゃせん」とよくいい、実際、確認されている記録では、アメリカの高校生が1900年に、280時間(14日と1時間)眠らなかった記録があります。※こんな実験は100年以上前だからできたことです。
1晩、2晩は、そのとおりですが、2週間を超えて、睡眠を奪われるとあぶないかもしれません。
ただし、自分の意志でそこまで寝ないことは不可能で、通常は、まとまった時間寝なくても、自己防衛本能が働き、マイクロスリープという、瞬間的な眠りが頻発することになります。
長時間勤務・シフト勤務には係留睡眠
夕方からの勤務とか、深夜勤務、長時間営業の店舗の経営者などは、夜まとまった時間の睡眠が取れなかったり、生活が不規則になり、なかなか同じ時間帯に7時間とかまとまった睡眠をとることが難しくなります。
■係留睡眠
そんな場合に参考になるのが「係留睡眠」です。これは1日の睡眠のうち、4時間だけは、固定の時間にとり、不足する睡眠はどこでとってもよいとするものです。
固定する4時間とは、午前1時から5時の4時間、あるいは午前8時から12時の4時間が望ましいとしています。それ以外に、空いた時間に都合3時間ほど寝るといったものです。
眠る時間を後ろにずらしていく
3交代シフトでは、それも難しいですが、
シフトを自分で組めるなら
日勤 → 準夜勤 → 夜勤 → 休み
という段々寝る時間を後ろにずらしていくサイクルの方が順応しやすいといわれています。
また、4日連続夜勤といったシフトよりも、短いサイクルでシフトを交代するほうがカラダへの負担が少なくなるようです。
ベストの状態で受験するための眠りのコントロールのやり方
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