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眠りは、交感神経から副交感神経へのシフトチェンジ

カラダは自律神経にコントロールされている

眠りにつくとは、交感神経から副交感神経へゆっくりと バトンタッチしていくことです。

心臓の鼓動、胃の消化活動など、わたしたちのカラダは 意識せずとも勝手に活動する仕組みになっています。

逆に意識して心臓の動きを止めたり、胃の消化活動を止めたり することはできません。
 

自律神経を知ろう

この意思では制御できない活動をコントロールしているのが自律神経です。

自律神経には、交感神経と副交感神経があります。

ごく大雑把にいうと、日中の活動中は交感神経が優位にあり、眠っている間は副交感神経が主体になります。

副交感神経へのシフトチェンジ

眠るということは、自律神経から見ると、交感神経から副交感神経にシフトチェンジしていくようなものです。眠る前の熱い風呂や過度な運動が逆効果なのは、交感神経を再び優位にさせるからです。

眠らなくてはと意識すればするほど眠れなくなるように、眠りを支配する副交感神経も自律神経ですので、なかなかこちらからコントロールすることはできません。

副交感神経を手招きする

ただ、意識して副交感神経を優位にすることは可能です。

・グッと手を握りしめてから、パッと手を開く。

・息を止め、肩に力をいれてから、パッと息を吐いて腕をだらんとさせる。

緊張状態を弛緩に持っていくとき、副交感神経が高まります。

呼吸もそのひとつです。
呼吸も自律神経によるものですが、ゆっくりと呼吸する、特に、ゆっくりと深く息をはく。息を吐きながら、カラダ中の緊張を解いてゆくと副交感神経にシフトしやすくなります。

睡眠はサイクルで出来ている

眠りには周期があります。眠りをコントロールしたいなら、まず眠りの周期-サイクルを知ることです。
90分が 眠りのサイクル の目安ですが、個人差があり、その日の体調もありますから、だれでも毎日・毎回90分ではありません。70分のこともあるし、120分になる人もいます。大事なのはサイクルがあることを知っておくことです。サイクルを知ることで眠りがコントロールできるようになります。

睡眠には、よく知られているようにレム睡眠とノンレム睡眠があります。
レム(REM)睡眠とは、眼球のすばやい動き(Rapid Eye Movement)からきており
夢を見てることの多い睡眠です。

ノンレム睡眠とレム睡眠

ノンレム睡眠とは、単にレム睡眠でない、レム睡眠以外の睡眠を言います。ノンレム睡眠には、その眠りの深さに応じて、Ⅰ~Ⅳの4段階があります。

1サイクルの目安は90分

このノンレム睡眠とレム睡眠がセットになって睡眠のサイクルが形成されます。1サイクルは、90分程度で、7時間眠っているなら、1晩のうち、4~5回繰り返しています。

眠りのサイクル

この図は、一晩の睡眠サイクルのモデルです。実際には、個人差があり、その日の体調もありますので、こんなにきれいな周期で睡眠をとれることはありません。大事なのはサイクルがあること、そしてそのサイクルは睡眠の経過とともに浅くなるということです。
① ~ ⑥ がそれぞれ1サイクルになります。
1サイクルは、薄いブルーのノンレム睡眠から始まり、どんどんと深い眠りになっていき、やがてまた浅い眠りになり、オレンジ色のレム睡眠で終わります。

サイクルの中身は変わっていく

1晩のうちの各サイクルは、同じではありません。次のサイクルに行くたびに、ノンレム睡眠の深さが浅くなっていき、レム睡眠の時間が長くなります。

特に、ノンレム睡眠の深い眠り(Ⅲ、Ⅳ)が現れるのは、最初と次のサイクル(計3時間位)だけで、眠りが長くなればなるほどレム睡眠が増えていきます。

逆に眠ってから6時間以上たつとレム睡眠の時間が増えてきます。6時間ぐらいまでは、サイクルごと(2サイクル:目安3時間、3サイクル:目安4時間半、4サイクル:目安6時間)でスッキリ目覚めることができますが、6時間ぐらい眠れたなら、それ以降はレム睡眠の時間が多くなりますので、サイクルにこだわる必要はありません。

レム睡眠はカラダの眠り、ノンレム睡眠は脳の眠り

レム睡眠・ノンレム睡眠は、進化の歴史で言えば、はじめにレム睡眠ができ、進化の過程で、ノンレム睡眠を獲得しています。明らかにノンレム睡眠を持つといえるのは、鳥類と哺乳類だけです。

浅い眠りと深い眠り

レム睡眠は浅い眠りであり、何かあったらすぐに起きれる状態です。一方でノンレム睡眠は、深い眠りであり、途中で何かあっても目覚めるのに時間がかかります。

スリープと電源OFF

これをコンピュータにたとえて、レム睡眠をスリープ状態、ノンレム睡眠を再起動が必要な電源OFFの状態という人もいます。

どうやら発達した脳を整理・休息させるためは、ノンレム睡眠が必須のようです。

睡眠の実験で、レム睡眠に入ったとき、被験者を起こし、人為的にレム睡眠をとらせない(夢をみさせない)実験があります。これまでのところレム睡眠だけを奪っても体調に大きな変化はないようです。

ノンレム睡眠は必須

逆にノンレム睡眠を奪うと、免疫機能の衰えがひどくなり、ラットでは2週間程度で死に至るようです。

「1晩、2晩、寝らんでも死にゃせん」とよくいい、実際、確認されている記録では、アメリカの高校生が1900年に、280時間(14日と1時間)眠らなかった記録があります。※こんな実験は100年以上前だからできたことです。

1晩、2晩は、そのとおりですが、2週間を超えて、睡眠を奪われるとあぶないかもしれません。

ただし、自分の意志でそこまで眠らないことは不可能です。通常は、まとまった時間眠らなくても、自己防衛本能が働き、マイクロスリープという、瞬間的な眠りが頻発することになります。
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